現在野球では従来から使われていた指標以外もセイバーメトリクスが浸透していますが、その数が膨大なため、よほどコアなデータ好きでないと把握出来ていないと思います。
そこでここでは野球で使われる指標の簡単な説明と、計算方法が簡単な指標に関しては計算式も掲載しています。
従来の指標
打席と打数の違い
打席と打数は野球初心者にややこしいのでここで説明します。
打席:打席に立った回数
打数:打席から犠打、犠飛及び四球、死球、打席妨害、走塁妨害の記録を除いたもの。
例を挙げるとA選手がある試合で5打席立ち結果が以下の通りだとする。
1打席目 ヒット 2打席目 四球 3打席目 犠打 4打席目 外野フライ 5打席目 三振
この場合2、3目は打数から省かれる記録などで、この日のA選手の打数は3打数となります。
野手
打率
計算式:安打÷打数
概要:安打になる割合
得点圏打率
ランナーが得点圏時の打数÷ランナーが得点圏時の安打数
概要:得点圏時における打率
出塁率
計算式:(安打+四球+死球)÷(打数+四球+死球+犠飛)
概要:どれだけその打者が出塁できるかを表している。
長打率
計算式:塁打÷打数
概要:1打数あたりの塁打の平均値 ※長打を求める率ではない
三振率
計算式:三振数÷打席数
概要:打者が三振する割合
守備率
計算式:(刺殺 + 補殺) ÷ (刺殺 + 補殺 + 失策)
概要:守備機会で失策しなかった割合。
投手
防御率
計算式(自責点×9)÷投球回
概要:9イニングでその投手が取られる平均自責点
被打率
計算式:被安打÷打数
概要:その投手が安打を打たれた割合
被本塁打率
計算式:被本塁打×9÷投球回数
概要;投手が9イニングあたりに打たれる本塁打の平均数
奪三振率
計算式:奪三振率数×9÷投球回
概要:投手が9イニングあたりに奪う三振の平均数
QS率
計算式:QS数÷先発登板数
概要:QSを達成した割合
セイバーメトリクス
野手
OPS
計算式:出塁率+長打率
概要:打者を計る指標の1つ。数値が大きい程優秀な打者とされる。ただし長打率が高い打者程有利になったり、走塁能力が考慮されていない部分があるため、OPSだけでは評価しづらい打者もいることを忘れずに。
IsoP
計算式:長打率-打率
概要:長打率と違い、純粋な長打力を計れる指標
IsoD
計算式:出塁率-打率
概要:四死球で出塁した割合を計る指標。選球眼を計る際に用いられることが多い。
BB%
計算式:四球÷打席数
概要:その打者の四球の割合。主に選球眼を計る際に使われる。
RC
概要:打者個人の得点能力を表す指標
RC27
概要:特定の打者のみで打線を組んだ場合に27アウトの内に取れる平均得点を表している。この数値が高い程。得点能力が高いことになる。
NOI
計算式:(出塁率+長打率÷3)×1000
概要:OPSよりも後に生まれた打者を計る指標でOPSよりも本塁打の価値が減少し、死球の価値が上がっている。
投手
WHIP
計算式:(被安打+与四球)÷投球回
概要:1イニングあたりに出すランナーの数。数値が低い程優秀な投手とされるが、ヒットは野手の守備能力に影響される面もあり、投手を評価する指標としては欠点も指摘されている。
BB/9
計算式:与四球÷投球回数×9
概要:9イニングあたりの与四球を示す。この数値が低い程制球力が高いとされる。
K/9
計算式:奪三振数×9÷投球回数
概要:9イニングあたり奪う奪三振の数。この数値が高いほど奪三振能力が高いことになる。三振は運要素が絡まないアウトの取り方のため、K/9が高いとアウトが取りやすい投手ともいえる。
K/BB
計算式:奪三振÷与四球
概要:投手を計る指標でこの数値が高いほど、制球力が良く、尚且つ自らでアウトを奪える投手となる。そのためこの数値が高い投手は優れた投手という証明になる。
DIPS
概要:投手によってコントロールできる部門のみで投手を評価する手法。奪三振、与四球、本塁打で評価する。ゴロやフライといったインプレーの打球は野手の守備や天候などといった運要素が関わっているため、そうしたインプレイを省いて投手を評価しようとするのがDIPSである。
FIP
概要:DFIPの流れを受け継いだ指標でインプレー要素を省いた奪三振、与四球、本塁打を軸に評価する。
共通
BABIP
計算式: (安打 – 本塁打) ÷ (打数 – 奪三振 – 本塁打 + 犠飛)
概要:本塁打を除いたヒットの割合である。本塁打以外のヒットは守備の影響を受けるため、運要素がある。投手においてはどの選手も長期間で見ればある程度同じ数値に収まる。なので平均よりもその年は高い場合は運が悪かったとされ、低すぎる場合は運が良かったと判断できる。
UZR
概要:守備を評価する指標。あらゆる面から評価するがその分、評価するのに数年は掛かる。
WAR
概要:勝利に貢献した選手の総合的な貢献値を表す。計算方法はかなり複雑となっている。